眠る前の食べ物と並んで、飲み物も眠りを左右する重要な要素です。快適な睡眠を手に入れるために飲み物にも気を配ってみてください。
牛乳
昔から眠れない夜にはホットミルクがよいとされてきました。温めるのは無駄に体を冷やさないためです。
ミルクにはカルシウムとセロトニンが他の飲料よりも多く含まれています。神経の高ぶりを押さえて入眠効果も高くなっています。
冷たいまま飲むより暖かい方がいいのですが、熱くしすぎると今度は神経が緊張してしまいます。適度な温度で「体を冷やさない」程度に暖かければ充分です。
カロリーを気にしなければ、蜂蜜やシロップを垂らすのも効果的です。
ハーブティー
ハーブの香りや成分には体のために良いものも多いため不眠症対策に有効です。あまりキツイ匂いや刺激的なものは逆効果ですので、きちんと不眠にあったハーブを選びましょう。
緊張をほぐすカモミールティーや、ストレスを取り除くラベンダーティーが代表的ですが、その他にもレモンバームやオレンジなど様々な種類があります。
ハーブティーが苦手な方は牛乳と混ぜてみたり、少しだけ甘くして飲んでみるのも効果的です。
お茶、コーヒー
カフェインは眠りにとってよくありませんが、生活リズムの一部として「飲まないと落ち着かない」状態であれば話は別です。不眠に悩んでいる時には無理をしないで飲んでください。
そしてグッスリ眠れたら、あらためて寝る前に飲まなくても気にならない生活習慣を作るように、遅くとも夕食時までを目安に切り上げてください。
お茶やコーヒーなどの嗜好品は、中の成分だけに注目するのではなく、自分のライフスタイルも考慮して過剰に遠ざけたり我慢せずにうまく付き合ってください。他の飲み物に変えてみるのも有効です。
アルコール
ナイトキャップとして寝酒をたしなむ方、または晩酌をする方も多いでしょうが、寝酒と晩酌は若干意味が違います。
毎日お酒を飲む習慣があっても、夕食時までに他の食べ物と一緒にとるようにして、適量をたしなむのであれば良い習慣です。
ですが寝る直前に「アルコールによる眠気を求めて」お酒を飲むのは逆効果です。確かにその時には眠くなるのですが、アルコールの効果はすぐに醒め、夜間に中途覚醒を起こしやすくなります。
またアルコールの勢いで眠った後で夜中に起きると、なかなか再び就寝することができません。眠りも全般的に浅くなります。
おつまみのように何かを一緒に食べれば、それを消化するために眠りから遠ざかりますし、何も食べなければ胃や他の消化器官にも悪影響が出ます。
お酒との付き合い方は睡眠以外でも健康や生活習慣に深く関わってきます。楽しく計画的に無理なくたしなむようにしてください。
喉の渇きとトイレ
寝る前に喉が渇いてしょうがなければ、なかなか眠ることができません。ですが水分をとりすぎれば夜中にトイレに行くために何度も起きることになるでしょう。
トイレの後にすぐ再入眠できるようなら問題はないのですが、不眠症で悩んでいる人にはそれも難しいことです。できるだけベッドに入る前にトイレに行く習慣をつけてください。
子どもだけではなく、大人になっても就寝前のトイレは重要です。また、これを毎日繰り返すことで、眠る前の儀式、体と心へのシグナル「眠る準備」として定着することが出来ます。
簡単に喉を潤すためには、上に挙げた飲み物以外にも電解質バランスを考えたスポーツ飲料のような物も有効です。ですが冷たいものを飲むと体や内臓に緊張が走り、精神的にも若干の負担になります。
そこで粉末タイプのものをお湯で溶いて飲むのをお勧めします。最近では最初からお湯で作ることを想定した粉末も売っています。これなら寝るしばらく前でも余裕を持って喉を潤し、トイレに行ってから眠ることが出来ます。